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Dr.OHKADO's Blog

. 暗澹たる気分

 昨日は,IOC総会で2016年オリンピック開催地の最終選考が行われ,結局南米発の開催地としてリオデジャネイロに決定,2度目の開催を目指して立候補していた東京は落選しました.
 落選の理由は多々あるようですが,その一つが,国民全体の支持がいまひとつだったということのようです.確かにオリンピックは多大なる経済効果をもたらし,国民の意識も高揚するかもしれません.しかしいまひとつ国民の間に気分が盛り上がらないのは,東京ばかりが発展することに対する地方の人のやっかみもあるにせよ,経済も低迷しあらゆる難題の山積している今の日本は,7年も先のオリンピックのことで浮かれている場合ではないという気持ちが正直なところかもしれません.戦後の奇跡的な復興を遂げた日本が国威を発揚する絶好の機会として国民全体が盛り上がっていた前回のオリンピックの時とは状況が全く異なると思います.

 ところで私はこの4月から医師会より介護認定審査員を仰せつかり,月に1-2回,認定審査会に出席して介護保険を申請された方々の介護度の決定を行う仕事をしています.毎回,主治医と調査員が作成した患者さんの報告書を読むのですが,これを見ていると本当に暗澹たる気持ちになります.

 85歳の一人暮らしの老人,胃ガンで胃を全摘したばかりなのに脳梗塞で左上下肢麻痺,おまけに認知症が進行して排泄も自分でできない…とか,88歳の女性,骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折と大腿骨頚部骨折で寝たきり,介護者の90歳の夫も腰や膝が悪くしかも認知症が進んでいて,一人息子の家族は遠方でなかなか来訪できない…とか,何かもう,やりきれない気持ちになってしまいます.

 急速な高齢化と核家族化が進んでいるこの日本,独居老人や老々介護は増える一方,頼りになるのはまさに社会の助けだと感じざるを得ません.介護保険制度はこういった窮状を救うために創設された素晴らしい制度だとは思いますが,現場の第一線で働くヘルパーさんたちの労働環境や待遇は劣悪だと言われています.確かに医師や看護師などに比べると専門性は低いものの,実際に彼等の力なしでは介護の現場は成り立ちません.私は彼等の待遇をもっともっと向上させ,一生でも続けられるようにしてあげるべきだと思っています.

 先日ついに政権交代があり,矢継ぎ早に新しい政策を打ち出す民主党に国民全体がこの国の行方を託しています.どんなに若い人,元気な人も最後には必ず医療や介護の世話になる時が来ます.そう考えれば,誰もが老後を安心して迎えられるための施策は,それを支える人々の待遇改善も含めて何を差し置いても早急に実現していただきたいと思います.
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Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です.
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
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