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2009/07/26

頼もしい武器

 昨日は株式会社ツムラの主催する漢方の勉強会に参加しました.

 以前のブログにも書きましたが,開業してからは積極的に漢方を診療に取り入れるようになりました.最初は試しに使ってみるという程度でしたが,今では日常診療に欠かせないものとなっています.
 今でこそ医学部でも東洋医学のまとまった講義があるようですが,私自身は開業するまで漢方と聞いただけで取っ付きにくい感じで,自分で処方することなどごく限られたケースのみでした.気血水とか虚実とか六病位とか,言葉を聞いただけでアレルギー反応を起こしそうでした.

 しかし開業してさまざまな訴えの患者さんを診るようになると,西洋医学的考えや処方だけではどうしようもないケースに日常的に出くわします.例えば,最近動悸やイライラが激しい,手足が冷えるのに顔はのぼせる,便秘がひどくてお腹が張る,肩こりや頭痛がひどく夜も眠れない,など本当に多くの不定愁訴を訴え,しかもあらゆる検査を行っても何も異常がないというような患者さんに出くわすことも多々ありますが,西洋医学では結局更年期障害とか心理的なものとして扱われて対症療法に終始し,全く太刀打ちできません,しかしこういったケースにこそ漢方が非常に有効で,漢方薬がぴたりと合えば,ほとんどの症状がたちどころに消失するといったことも珍しくはありません.

 漢方は2000年以上もの歴史の中ではぐくまれてきた経験医学で,そのメカニズムは最近までは解明されていませんでした.しかしここ数十年の基礎医学や薬理学の進歩で,それらも次々と明らかにされ,今はやりの「エビデンス」も着実に積み重ねられています.そもそも西洋薬の成分の多くも元はと言えば植物から得られたもので,それらの化学構造をヒントにして薬となる化合物が人工的に合成されているわけです.つまり漢方薬と西洋薬は決して相容れないものではないとえます.ただ漢方薬では多くの生薬すなわち成分が先人の経験に基づいて微妙な割合で調合されており,それらが相乗的に働いて西洋薬では得られないような素晴らしい薬効を発揮すると考えられています.

 そんなわけで私もすっかり漢方のファンになってしまい,重宝していますが,奥は深くまだまだ初心者です.
 昨日は腹診の練習もあり,いつものようにモデルの患者さん(ツムラさんの趣味か,講師の先生の趣味か,どういうわけかいつも女性なのですが)のお腹を講師の先生に教えてもらいながら,順番に触らせていただきました.

 ただ,参加者の中でかなりお年を召されたある先生,講師の先生の言うことを聞いてか聞かずか,全く教えられたのと違うやり方で触診をされているのです.講師の先生も最初は「いや,そこはもう少し指の腹を使ってですね…」などと教えていたのですが,あまりに無視されるので黙ってしまいましたし,見ていた私たちも苦笑せざるを得ませんでした.その先生,ひょっとして漢方の大家で独自のやり方を開発されているのか,講師とはいえ自分の子供みたいな医者になんぞ教えられたくないわいと思っているのか… でもせっかく教えてもらってるのに素直になったらエエのになあ,などと思ってしまった私でした.
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