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Dr.OHKADO's Blog

. アカデミズムを忘れない

 先日の日曜日に,ファイザー製薬とベーリンガーインゲルハイム株式会社の主催する「神戸COPD研究会」という研究会が,神戸クラウンプラザホテルで行われ,光栄なことに私は講演者のひとりとして招かれ,地元の先生方を相手に「開業医における禁煙外来の実際」として約15分の講演をさせていただきました.
 COPD(Chroni Obstructve Pulmonary Disease,慢性閉塞性肺疾患)というのは,肺気腫を代表とする病気の総称です.日本でも死因の10位以内にはいるほど増加しており,また何より喫煙がその発症の大きな原因であることから,最近とみに注目されています.クリニックでは開院以来,新薬であるチャンピックスによる禁煙外来を行って来ましたが,どういうわけか患者さんの数が近隣の医療機関の中でダントツに多いとのこと,開発したファイザー製薬から白羽の矢が立ったということです.開業してから自分が演台に立つのはこれが初めてでしたが,統計解析やスライド作成などは,勤務医時代に日常的にやっていたので慣れていました.

 勤務医時代は,相談出来る同僚も周囲におり,常に最新の医学知識や技術に接していましたが,開業するとなんといっても孤独で,すぐに相談できる相手もいません.しかも人間はつい安きに流れやすいもの,医療以外の雑事も多く,モチベーションがないとつい知識や技術をブラッシュアップする機会を失ってしまい,日進月歩の医学に遅れてしまうのではないかと感じています.

 医師会や製薬会社主催の勉強会や研究会はしょっちゅう開催されていますし,インターネットなどを利用すれば最新の医学知識を学ぶことは困難ではありません.しかしそれもあくまで医師個人に学ぼうとする姿勢があるということが前提です.

 先日,以前から動悸がするという患者さんが遠方から当院を受診され,心電図をとると心房細動という立派な不整脈でした.どう考えても最近発症したものではなさそうでしたが,患者さんに訊くと,月に2回通っている近所のかかりつけの医師は,毎月のように心電図をとっていた,しかもいつも異常なしとしか言われたことがないとのことですから驚きでした.その医師はいったい何のために心電図をとり,何を見ていたのでしょうか?医師の専門はもともと整形外科医だったとのことでしたが,患者さんにとっては関係ありませんし,医師の勉強不足といわれても仕方ありません.残念なことにしばしば開業医が勤務医に比べて下に見られることが多いのは,こういったことがあるからなのかもしれません.

 私も開業してからは自分の専門外の患者さんが来ることは日常茶飯事で,正直こんな診断や治療でよかったのかと,後でひやひやすることもしばしばです.「おおかど循環器科クリニックにかかったけれども全然よくならなかった」と,他院で批判されていることもあるかもしれません.私も前述のようなことを他山の石として,開業医とはいえ,というよりも開業医だからこそよけいに,いつまでもアカデミズムを失わないようにしたいと思います.
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Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です.
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
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