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Dr.OHKADO's Blog

. 桜に思う

 神戸ではここ1週間ほど桜の花が満開になりました.クリニックの近隣の桜並木も本当にきれいで,毎日沢山の花見客で賑わっていました.私も先週の日曜日は,合気道の稽古後に仲間たちと須磨の妙法寺川沿いの桜並木の下で花見をしました.天気も大変良く,稽古で汗を流した後にきれいな桜の花々を愛でながら飲むビールは最高でした.

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 それにしても桜を日本の国花と決めたのは誰かは知りませんが,これほど日本,そして日本人にぴったりの花はないのではないでしょうか?花の一輪々々は小さく,色も控えめではかなげですが,それらの花々が一斉に命を与えられたように見事に咲き誇り,かつ散り際も潔いところが,日本人の精神性,魂,感性を見事に象徴しているのでしょう.古くから多くの詩歌,文学作品,芸術作品に数え切れないほど取り上げられているのはもちろん,国学者の本居宣長は,桜が「もののあはれ」を基調とする日本人の精神を具現していると述べていますし,新渡戸稲造の著書「武士道」では「武士道とは日本の象徴たる桜の花のようなもの」と記しています.

 太平洋戦争の時代に流行した軍歌「同期の桜」では,「同じ花なら散るのも同じ,見事散ります国のため」などと歌われ,桜を愛する日本人の心が,国民を扇動するような手段に悪用されてしまったというのは忘れてはならない悲しい事実ですが,言い換えればこの花にそれほどの大きな力があるということなのでしょう.

 また日本人は,世界でもまれに見る水の豊かな国だけあって,「水に流す」という精神も行動規範になっているといわれますが,この精神も桜の花に通じるようなところがあると思います.

 たとえば,日本人は原爆で数十万の人々の命を一瞬にして奪われたという本当に悲しい思い出があるにも関わらず,その投下国である米国に“民族的な恨み”は残さず,同盟関係さえ結んでいるというのは,単なる地政学的,軍事的な理由だけではないと思います.太平洋戦争時代の日本軍の侵略に対する中国や韓国の未だに消えない反日感情とそれとを単純に比較することは危険ですが,やはりその違いは,相手を許す「潔さ」であり,悲しい過去を「水に流す」(もちろん原爆の悲惨さは決して忘れてはなりませんが)精神的土壌の有無なのかもしれません.

 戦後60年以上が経過してすっかり平和ボケしてしまったと揶揄され,中国やインドなどの台頭で世界第二の経済大国としての地位も危うくなり,政治や外交でもあまりぱっとしない日本ですが,先祖より受け継いだこういった精神だけは,日本人のアイデンティティとして誇りに思い,未来に受け継がれて欲しいと思います.
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Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です.
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
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