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Dr.OHKADO's Blog

. 新たな年に

 新しい年が明けました.「石の上にも三年」という戒め通り,私も開業後まず3年は何が何でも死に物狂いで頑張ろうと心に誓ってきましたが,早いものでその3年はもう間近に迫っています.

 さて,年末から正月にかけての日々は,欧米のクリスマスと同様,我々日本人が日本人であることを最も意識させる時期のひとつでしょう.
 アメリカでは,ハロウィンが終わった頃からクリスマスの足音が少しずつ聞こえ,11月末の感謝祭が終わるや否や街中がクリスマス一色になります.クリスマスそのものは勿論ですが,むしろそこに至るまでの日々こそが,かけがえのない,そして楽しい日々なのだということを,留学していたころ強く感じました.

 日本でも宗教的意味合いはさておき,11月初旬にもなると街中がどんどんクリスマスの雰囲に包まれていきますが,後半になると,ここがアメリカと違うところで,今度は街中が正月一色に一変します.ただ年が変わるだけといってしまえばそれだけなのですが,日本人はそこに大きな意味を与えるわけです.
 年末に大掃除をしたり,忘年会をしたりするのは,「水に流す」という日本人特有の気質と無関係ではないと思います.年が改まることは,心身ともに清められ,リセットされるよい機会なのでしょう.
 私個人としても,師走という言葉通り,年末の慌ただしい日々は何か追われるようで大変ではありますが,年の変わり目こそいろいろな意味で自分自身を見直し,再出発できる絶好の機会でもあり,嫌いではありません.

 ただ最近は,伝統的な日本の正月の姿がどんどん失われてしまっていると感じざるを得ず,時代の流れとはいえ,寂しさも感じます.
 今や門松を立てている家など探すほうがむずかしいし,昔のようにコマ回しやたこあげをするような子供など滅多に見ない.お節料理もコンビニやデパ地下で売っているし,核家族化も手伝って,手間暇かけて作る人もどんどん減っている.そのお節料理とてそもそも保存食であるからこそ意味があるのに,最近では1月2日どころか,元旦から既にオープンしている店さえ沢山ある.だから三が日に街を歩いていても,一見普段と何も変わらない…
 
 テレビをつければどこもかしこも似たようなお笑い番組ばかりで,人気芸人たちがあちこちで掛け持ちで出ている.出演者の羽織袴や晴れ着姿,お決まりの筝曲「春の海」は正月の雰囲気を醸し出してくれるのですが,昨年中に録画されたとおぼしきものも多く,何か興ざめしてしまう.
 でも,街中で正月の雰囲気がなくなってしまっているからこそ,テレビによってとりあえずは正月の雰囲気に浸れるというのも皮肉なものです.いってみればテレビの画面は「バーチャル正月」といったところでしょうか.

 それでも初詣でで多くの参拝客に混じって厳粛な気持ちで手を合わせたり,ポストに届いた年賀状の束を見ると,やはり新年の始まりを実感し,そして日本人であることを思い出させてくれます.

 今年も我が家には多くの年賀状が届きました.
 毎年文面だけでやり取りしていた旧友たちが久しぶりに家族写真を送ってくれ,すっかりいいオジサンやオバサンになっていたりするのを見ると,年月の経つのを実感したり懐かしい思い出が走馬灯のように脳裡を駆け巡ったりして,ひとときのタイムトラベルに身を委ねられます.
 海外で活躍している人,教授になった人,会社の要職に就いた人,転職した人,幸せな結婚をして子宝に恵まれた人… 逆に,病気になった人,肉親が亡くなった人,不幸が続いた人… 実に様々ですが,人の数だけ人生があるといわれる通り,皆それぞれの人生を一生懸命生きていることを1枚1枚のはがきが物語っていて,感慨にふけってしまいます.

 昨年の我が国は政治も経済も外交も筆舌に尽くしがたいほど低迷し,国民全体が自信喪失と虚無感にさいなまれてしまった1年でした.今年は少しでもそれらが好転し,日本人が少しでも自信と誇りを取り戻せる1年であってほしいと願わざるを得ません.
 私も自分のクリニックを4年目,5年目に向けてさらに発展させ,自分や家族,スタッフがいっそう幸せに,そしていっそう地域医療に貢献できるようになれば,これほど嬉しいことはありません.

 この1年が良い年であるように心から祈ります.


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comments
4. Familia chile さん
明けましておめでとうございます。(遅いですが) 本年もよろしくお願いします。
夏本番のチリより いつもご活躍伺っております。今年 帰国年となりました。こちらで多くの事を学びまた 日本という国を客観的に見る事が出来多くの事を学んだ駐在だったと思います。残り少ないこちらでの生活満喫して帰国しようと思います。 先生の今年一年の幸せを願っております。
2011-01-16 06:43:50 | [編集]

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Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です.
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
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