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涙のスポーツマンシップ

   いよいよ今年も3月に入り,三寒四温の日々となりました.猛威を振るっていたインフルエンザも少しは落ち着いてきた感じです.

 さて,先日,成功裡に幕を閉じた平昌オリンピックでは,今回も数々の感動のドラマが生まれました.

   女子ノーマルヒルで日本のエース高梨沙羅が渾身のジャンプを跳んで銅メダル獲得を決めた瞬間,真っ先にかけつけてしっかりと抱きしめ,号泣する彼女に暖かい言葉をかけたもう1人のエース,伊藤有希の姿.

   高梨とともに日本女子ジャンプ陣の二代看板だった彼女とて,悲願のメダリストになりたかったに違いありません.しかし不運にも彼女の跳ぶ時は二本とも不利な追い風が吹いて実力を出しきれなかったこともあり,勝利の女神は彼女には微笑まなかったのです.

    4年間この日のためだけに全てを捧げてきたのは伊藤とて同じだったでしよう.他人に察するに余りある悔しさと,そして意地悪な言い方をすれば,高梨に対する嫉妬もあったかもしれません.にもかかわらず,その気持ちを抑え,ただただ盟友高梨のもとに駆け寄ったその姿には,そして試合後の涙ながらのインタビューには,私を含め誰もが心打たれたに違いありません.

  それから,スピードスケート女子500メートルで日本の第一人者,小平奈緒がオリンピック記録を出すほどの圧倒的な滑りをした時,大歓声で盛り上がった会場の観客に対し,その後に滑る選手たちに気を配って,そっと指を立てて静かにするようにとのジェスチャーを行なった姿.
   そしてこの直後に出場した前回,前々回のオリンピック覇者である韓国の絶対王者,イ・サンファが残念ながら僅差で小平に敗れて号泣している時,金メダルが決まった小平が寄り添うように駆けよって暖かい声をかけ,ライバル同士健闘を称えあって共に爽やかな表情でウィニングランをした姿.

   小平にとってイ・サンファは憧れかつ目標としてきた選手であり,いつしか2人は互いに尊敬する良きライバル,そして掛け替えのない親友になっていたのです.

   イ・サンファの涙は,負けた悔しさもあるにせよ,地元開催のオリンピックで3度目の金メダルを期待される重圧からの解放感や,それに応えるべく怪我を乗り越えて必死に頑張ってきたことなどに,万感の思いがこみあげた結果だったに違いありません.

  この時ばかりは日韓双方の観客とも心からの大きな拍手を送っていましたし,普段は国家の代弁者として日本への対抗心むき出しの韓国マスコミも,最大限の賛辞を送ったようです.

   オリンピックというのはついついメダルの数や勝者の姿ばかりが目立ちがちですが,本来は,出場の栄誉を得られたオリンピアンたちが,国籍や勝敗に関係なく,その鍛え上げた技をスポーツマンシップに則って披露することのできる最高の場です.観る者たちも,その技にだけではなく,彼等がこの日のために人生をかけて歩んできた血の滲むような努力の日々に想いを馳せたり,素晴らしいフェアプレーに感動するのです.

   残念ながら今回はドーピング疑惑でロシアの選手が国を代表しては参加できず,また大会を政治利用したい北朝鮮が「微笑み外交」とやらで韓国を翻弄するなど,オリンピック精神を大きく汚してしまうような負の側面も露呈してしまいました.

   しかし前述した心温まるエピソードは,私たちに,崇高なスポーツマンシップを通して,人と人との絆とは何か,他人への思いやりとは何かという,我々が決して忘れてはならない何よりも大切なことを教えてくれたのではないでしょうか?


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プロフィール

Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です。
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
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