Dr.OHKADO's Blog

. 年の瀬の迎えて

 今年も残すところあとわずかとなりました.
 毎年ながら,この時期クリニックは多くの患者さんの年末の駆け込み状態で大忙しですが,ありがたいことだと思います.

 先日の日曜日は,姪が在籍する京都芸術大学音楽学部の定期演奏会が京都コンサートホールでありました.
 今回の曲目は,尾高忠明氏の指揮のもと、フォーレのレクイエムとショスタコーヴィチの交響曲「革命」でした.
 モーツァルト,ヴェルディと並んで三大レクイエムと言われるフォーレのレクイエムは,私も大学合唱団時代に一部を歌ったことがありますが,魂を揺さぶられるような美しい曲です.ショスタコーヴィチは,有名なサビの部分は知っていましたが,全曲ナマで聴いたのは初めてでした.

 これから国内外で活躍しようとしている若い人たちの,若々しいエネルギーと未来への希望に満ちた演奏は,ウイーンフィルのような超一流のプロのオーケストラの演奏とはまた違う格別の味わいがあり,大変感銘を受けました.

 いよいよ来春卒業となる姪も,卒後はプロのコントラバス奏者を目指して国内外で頑張るとのこと,おおかど家初のプロの音楽家の誕生を心から楽しみに応援したいと思っています.

 音楽の世界のみならず,スポーツでも芸術でも科学でも,若い力が育たなければ国は衰退の一途を辿るでしょう.国内外に難題山積の我が国ではありますが,この国の将来を担う若い人たちこそが夢を持つことができる社会、努力が報われるような社会になって欲しいと常々思います.

 話変わって,今年もNHKの大河ドラマが感動のうちに最終回を終えました.
 大河ドラマについては,視聴率云々を含め毎回評価が分かれますが,多少の脚色はあるにせよ,歴史上の1人の人間にスポットをあて,その激動の人生を一年を通して丁寧に,かつ贅沢に描く手法はNHKだからこそ可能なわけであり,大河ドラマのファンとしては,今後とも是非続けて欲しいと思います.

 今年の「真田丸」は三谷幸喜さんの脚本の魅力に加えて堺雅人さんたち俳優陣の好演も手伝って,大変見応えのあるものとなりました.

 歴史の無情な流れに翻弄されながらも,波乱万丈の人生を力強く生きていく主人公とそれに関わる多くの人々の生き様は,それが決してハッピーエンドに終わるわけではない史実であるからこそ,そのリアリティーの中に感情移入してしまうのかもしれません.

 開業前まだ四十台だった私もあと2年足らずで還暦という年齢となり,月日の流れの速さをますます実感しています.
 つい惰性に流れがちになる毎日を,演奏会で出会った若い人たちのように心身ともに若々しく,そして真田幸村のように力強い志を持って一生懸命に生き,あとで振り返って悔いのないような人生を送れたら本望だと思います.

 さて,来年はどんな年になるでしょうか.


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. 素晴らしきサプライズ

 今年もあと1カ月少し,先日は私が理事を務める神戸市中央区医師会の総会と少し早めの忘年会があり,地元の他の先生方や医療関係の人々と交流を含めてきました.
 これから私にとっては,毎年ながら目が回るほど忙しくもかけがえのない楽しい季節となります.

  さて先日,午前の診療が始まったばかりの頃,予想外の来客がありました.
 
 その男性は,かれこれ15年以上も前,私が仙台循環器病センターにいたころ,主治医として担当していたYさんでした.
 平成13年の2月,東北地方は神戸では想像できないくらいの寒い季節ですが,そんなある日の早朝,突然の激しい胸痛で近隣の医療機関から救急搬送されてきたのがYさんでした.
 はたして胸部CTや心臓エコー検査から下された診断は,急性大動脈解離でした.心臓直上の上行大動脈の内壁が大きく裂けているスタンフォードA型というタイプである上,心臓の出口である大動脈弁に病変が及んで急性の大動脈弁逆流をきたして重篤な心不全となっており,救命するには一刻も早い緊急オペが必要でした.
 すぐに関係スタッフ全員が集合,私の上司であったS部長が執刀,私が第一助手を務め,上行大動脈と大動脈弁を同時に置換するベントール手術を行いました.
 オペは成功,一命を取り留めた患者さんは,その若さも手伝ってその後順調に回復されて退院,その後私が外来で定期的に診ていました.

 約2年ほどして私が同センターを辞して神戸に戻ったあとは,Yさんの診察は他の医師が引き継ぎましたが,Yさんはその後も私のことを気にかけてくださっていたとのことでした.

 今回は奥様と四国に旅行に来られたとのことですが,帰路直前に神戸に寄る事情ができ,それならば,またとない機会なので!ということで思い切って私を訪れてくださったそうです.
 あれから16年,私と同い年くらいのYさんは,今は岩手県一関に住まれ,地元の医師に引き続き診てもらっているとのこと,血色もよく,とてもお元気そうでした.

 積もる話は尽きないものの,すでに患者さんがどんどん来院しており,名残を惜しみつつ,私とのツーショット写真を土産に岩手に帰って行かれました.

 自分が担当した患者さんがそのことをずっと忘れず心に留めて,こうしてわざわざ訪ねてきてくださるということ,これほど医者冥利につきることはありません.
 医師にとって一人一人の患者さんはone of themですが,患者さんにとって医師は自分の人生を大きく左右するonly oneとなり得るということでしょう.

 今回のYさんのご訪問は,日常の業務に忙殺されてつい惰性に流れがちな日々にとても素敵なサプライズとなりましたし,また,患者さん一人一人に真摯に向き合わなければならないという当たり前の心構えを再確認させてくれる,よい機会となりました.

 Yさんへ,ますますのご健勝,ご活躍を,遠い神戸よりお祈りしております.


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. プロフィール

Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です。
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
ご意見下さい.

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