栄光のアスリートたち

 8月も終盤ですが,まだ毎日厳しい猛暑が続いており,体調を崩される患者さんたちも多いようです.

 さて,本日,17日間にわたって熱戦が繰り広げられたリオデジャネイロオリンピックが終わりました.
 今年も数々の名場面が感動を呼びましたが,日本選手の活躍も例年にも増してめざましく,普段はスポーツになど縁のない人々も,日本とは地球の真裏にあるこの地で盛大に行われた大イベントに,毎日寝不足気味になりながらも熱い声援を送ったようです.

 金メダル12個を含むメダル総数41個は史上最多とのこと,いよいよ4年後に迫った東京オリンピックに弾みがつきましたが,特に今年は,以前はメダルなどにかすりもせず全く注目されていなかったような競技や,毎回期待されながらもあと一歩メダルに届かなかったような競技で次々とメダリストが出て,驚きと安堵の毎日でした.

 女子卓球団体のロンドンオリンピックに続くメダル獲得は日本中が歓喜に沸きましたが,おそらく私のような年代の人間は,まさに自分の娘たちを見るような思いで,ハラハラしながら見ていたに違いありません.
 準決勝ではあの不運としか言えないエッジボールでドイツに惜敗し,シンガポールとの三位決定戦での息詰まるような試合の末,ようやく銅メダルを獲得した瞬間,彼らが抱き合って号泣していた姿にはもちろん,試合後にインタビューされた福原愛が,それまで気丈に耐えていた涙を堰を切ったように流しながら,満身創痍の身体でキャプテンを務めたこの日までの道のりは本当に苦しく辛かったと言っていたのには,私を含め誰しもが胸を打たれ,涙したことと思います.

 まだ日本人が卓球でメダルを取ることなど見果てぬ夢だったころから,「卓球の愛ちゃん」としてめきめき頭角を現し,その成長とともに日本の卓球界をけん引してきた彼女の果たした役割は果てしなく大きく,そしてそれを追うようにして成長してきた石川佳純は今や中国選手とさえ互角に戦える日本のエースに成長,まだ弱冠15歳の伊藤美誠はその実力たるや恐るべしで,今後さらに磨きがかかれば,本当に日本人が金メダルを狙える日も近いかもしれません.
 そう考えると,本当に感慨深いものがあります.

 私たちは,自国のアスリートの活躍で愛国心のような感情が沸き上がるのはもちろんですが,たとえ国や民族が違っても,彼らの磨き抜かれた技やフェアプレー精神に魅せられ,そして彼らがそこに至るまでの血の滲むような努力と苦難の道のりや,それにまつわる様々な人間ドラマに思いを馳せて,感情移入してしまうのです.
 
 でも言うまでもなく,世界中のアスリートたちにとって憧れのオリンピックに出場することは,凡人が東大に合格するよりも遥かに狭き門で,さらにメダルを狙うとなればなおさらです.好むと好まざるに関わらず,国を代表しているという重責や周囲の期待による重圧たるや,察して余りあるでしょう.

 特に日本のアスリートたちの大部分は,たとえメダリストになったとしてもその後の生活が保証されているわけではありません.
若い時期の貴重な時間を全て競技のために捧げてきたわけですから,報奨金を大幅に増やすのはもちろん,彼らが今後も安心して競技に打ち込んだり,第二のキャリアを進めるようにしていくこと,それこそが,彼らがオリンピックでもより一層活躍でき,ひいては日本のスポーツ文化の発展に寄与するのではないかと思います.


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