私の国際貢献

 クリニックにはけっこう多くの外国人の患者さんが訪れます.
 来院記録に並ぶ1日数十人の患者さんのうち,カタカナの名前が5人くらい並ぶこともまれではありません.
 英語であれば通訳なしでも診てくれるということで,在日外国人はもちろん,ビジネスや観光で来日している方や,神戸港に停泊中の船の船員さんが来ることもあります.
 もちろん,英語以外の場合は通訳が必要ですが,その国の言葉を挨拶程度でも話してあげると,少しでも緊張が溶けて喜ばれます.

 私たちが言葉の通じない異国の地で体調不良という望まぬ事態になった時の言いようのない不安は誰しも知っての通りです.
 そんな時,現地の医療機関で言葉が通じ,そして親切丁寧な対応を受ければ,その不安は大きく払拭され感謝の気持ちを抱き,その国に良い印象を持つでしょう.

 もちろん異国に住んだり行ったりする場合は少なくとも現地の言語を少しでも学んでいくのが最善でしょう.しかし誰もがそれが可能とは限りませんし,特に医療に関する用語は難しいのが常です.

 ところで今,日本の高度な医療を世界の人々のためにも役立てようと,官民一体となって医療ツーリズムを進めようとしていますが,医師会などは,国民皆保険制度の崩壊にもつながりかねないとして反対の立場をとっています.
 私個人としては,グローバル化の中で我が国がどう国際貢献していくか議論になっている昨今,グレードとホスピタリティーの高い我が国の医療を世界の人々に利用してもらうのは,ある程度の弊害もあるにせよ,それ以上に有意義なことだと思います.

 日本は今,世界各国とくにアジア圏からの観光客が激増しており,中国人の爆買いとかマナーの悪さとかがとかく話題になりますが,どういう観光目的であれ,本当の日本の良さを知ってまた来日したいと思ってくれれば,こんなにありがたいことはありません.国家がどう反日宣伝をしようと,人々の心までは変えられないのです.

 先日,日本に住んでいる中国人女性が,自分の母親が中国で心臓の検査を受けたが結果や説明が全く信用できないということで,来日中の彼女をわざわざ連れてきたことがありました.日本での再検査の予約を含め丁寧に相談に乗らせて頂いたら,心から喜んでおられました.

 実はこのような例は枚挙に暇がありません.

 日本の医療水準やシステムは世界トップレベルであることを日本人はもっと誇りに思うべきですし,外国人がその恩恵に預かりたいというのであれば,ぜひ協力したいものです.

 そしてこんな小さなクリニックでも,受診をきっかけに日本,そして日本人のことを好きになってくれたら,少しは我が国の国際貢献に役立てたかなと思うのです.


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