Dr.OHKADO's Blog

. たかがプレゼン,されどプレゼン

  3 月も終盤,あちこちで桜が咲き始めています.クリニック横の生田川沿いの公園が花見客で賑わうのも間もなくです.

  さて,開業してからは,メジャーな学会で発表するような機会はほとんどなくなってしまいましたが,院外でちょっとした講義(レクチャー)などをさせていただく機会が時々あります.

 この2月は,そのような機会が偶然3回も重なりました.

  ひとつは,現役の薬剤師さんたちに対する禁煙治療の講義です.
 
  喫煙の健康被害がクローズアップされている昨今,禁煙は日本のみならず世界的にも喫緊の課題です.
 このような風潮の中,薬剤師も禁煙指導に積極的に関わるべく禁煙指導認定薬剤師なる資格ができましたが,先日,武庫川女子大学の講堂を借りて行われたその研修会に講師として招かれたのです.
 当院では禁煙治療に訪れる患者さんが非常に多く,禁煙補助薬チャンピックスによる禁煙治療患者数が開業6年半で約400人と,兵庫県下でもトップクラスの症例数になったことなどが評価されたようで,今回招かれたことは大変光栄なことでした.

 彼らも医療のプロですから,ツッコミを入れられないように(笑),実際の現場経験を中心にしたレクチャーにすべくしっかり準備をしたお陰で,なんとか無事に終われました.膨大なデータの解析には当院の事務スタッフOさんが手伝ってくれ,大変助かりました.

 2月半ばには,ある製薬会社で行われた社内研修会の講師を勤めました.
 製薬会社の社員たちも医療の進歩に遅れないよう,自社製品に関する知識のみならず,幅広い医学知識の習得も求められているようで,私は過去にも何度か,製薬会社の研修講師として呼ばれたことがあります.
 私の場合は,もともと外科医であったことなどの強みを生かして,オペのビデオを見せたりと,純粋な内科系の先生ではできないようなプレゼンテーションをさせていただいています.

 今回は,「下肢の血管の病気について」という内容で,若手のMRさんなどを対象にしてレクチャーしましたが,興味深く聴いてくださったようです.下肢静脈瘤の日帰り手術のビデオも,オペの現場など普段は見る機会がないだけに,大変喜ばれました.

  そして,2月末には,中央区が主催する市民健康講座で,これも「下肢の病気:特に血管の病気について」という題目で,一般市民の方々にレクチャーしました.
  あらかじめ主催者側から,対象者は70代以上の高齢者が中心なので(そりゃあ,若い女の子なんかは来ません(笑))スライドや配布資料では出来るだけ字を大きく,行間はあけて,など色々と注文がありました.
  こちらとしても少しでも容易に理解していただけるように,病名にはふりがなを振り,難しい医学用語はなるべくわかりやすくするために,たとえば「閉塞」は「詰まる」,「狭窄」は「狭くなる」と言い換え,そして説明は可能な限りはっきり,ゆっくりと行うなど,四苦八苦しました.
 
  そしてこれぞ市民講座!耳の遠い方のために,私の横では2人の手話通訳の方が交代で見事な通訳ぶりを発揮していました.「バージャー病」とか,「閉塞性動脈硬化症」なんて手話ではどんなふうに表現するのかなあ?などと考えると妙に関心してしまいました.

  一般の方々にどれだけ理解していただいたか不安でしたが,後で知るところによれば,おおむね好評だったようです.

 今回の3回の講演は,TPOとでもいうか,三種三様の立場,理解力に応じてプレゼンテーションをするという意味で,こちらとしても大変よい勉強になりました.

 プレゼンテーション能力は,自分の考えを,相手にいかにわかりやすく伝えるかということで,仕事のみならず日常生活においても必須のものだと思います.

  欧米人は幼少時から人前で自分の考えを伝える訓練が日常的になされており,学会や会議などで彼らが淀みなく明瞭に,堂々としたプレゼンテーションをしているのを見ると,感心させられます. 
 ピッツバーグに留学していた時も,長女の通っていた幼稚園(Nursery)で,園児たちが皆の前で話しをする機会が何度も設けられており,米国人の高いプレゼンテーション能力の原点を見た気がしました.

 一方私たち日本人は,その国民性も影響してか,その点かなり遅れていた感がぬぐえませんでしたが,最近のグローバリズムの影響で,誰しも好むと好まざるに関わらず確かなプレゼンテーション能力が求められており,少しずつですが諸外国に追いつきつつあるのではないかと思います.

 私はと言えば,こうやってブログを書いている時など,自分の考えていることをいかに理路整然と,しかも他人が理解しやすいように表現するかということに心を砕いていますし,頭の体操にもなります.

 今後ともプレゼンテーション能力をますます磨いて,公私に役立てていきたいと思っています.
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Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です。
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
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