Dr.OHKADO's Blog

. 救いへの道

 5月も半ばを超え,緑豊かな美しい季節となりました.クリニックは今月満6周年を超え,ますます受診患者さんの数が増えて多忙ではありますが,ありがたい限りです.当然待ち時間が長くなることもしばしばですが,長時間待っていただいてもその甲斐があったというような診療を心掛けていきたいと,いつも思っています.

 さて,このゴールデンウィークに,家族で南紀白浜温泉および熊野古道に行ってきました.
 
 周知のとおり,熊野三山と呼ばれる寺社と,そこにいたる長く険しい参詣道である熊野古道は,平成16年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています.

 今でこそ交通網が発達して,このような人里離れた深い山奥にさえ誰しもが容易に行けるようにはなりましたが,遥か昔,海の外に広がる遥かに広大な世界など知る由もなかった日本人にとって,熊野の地は険しい山々や深い谷々に行く手を阻まれて容易に人が足を踏み入れることのできない世界であり,そこにとてつもなく神秘的なものの存在を感じたに違いありません.
 実際,阿弥陀信仰の強まった平安時代には,熊野の地は浄土の世界とみなされていたようです.

 今回私が歩いたのは,総距離300Km以上にも及ぶ参詣道のうち,熊野本宮大社にいたるたかだか8Km弱ほどでしたが,緑深い山々の中を日常の喧騒を忘れてゆっくりと歩いているだけで,心の救いを求めて遥か昔にこの道を通った数えきれないほど多くの先人たちの姿に想いが馳せられ,不思議な気持ちになりました.

 熊野古道が世界遺産に登録されて以来,御多分に漏れず観光客が激増したようです.
 でもそれは単なる観光目的という以上に,殺伐とした社会に生きざるを得ない我々現代人も,遠い昔にここを訪れた数多くの人々と同じく,心からの癒しと祈りを求めているからに違いありません.

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. プロフィール

Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です。
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
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