Dr.OHKADO's Blog

. 節目の年の瀬を迎えて

平成25年もついに大晦日となってしまいました.年末が近づくと忙しくなるのは毎年のことですが,今年は異常気象のせいで秋らしい日々がほとんどなくいきなり冬に突入,おまけに公私とも例年以上に超多忙で,毎年飾り付けているクリスマスツリーさえ出す暇がなく,あれよあれよという間に大晦日までワープ(笑)してしまったという感じです.

 今年はいろいろな意味で節目の年でした.

 まずクリニックはなんとか開業5年を無事迎えることが出来ました.思えば平成20年の春,背水の陣の覚悟で踏み切ってから,ただひたすら,がむしゃらに,前だけを向いて突っ走ってきたという感じです.
 この間,大変なことも多々ありましたが,そのたびに這いつくばるようにして乗り切ってきました.
 それが功を奏したのでしょうか,地域における知名度も上がって患者数も右肩上がりで増え続け,経営もなんとか安定しています.支えてくれているすべての人々に感謝の気持ちでいっぱいです.

 私はこの9月に55歳となりました.年齢を重ねるのは誰でも当たり前のこととは言え,私が結婚したころの父の年齢と同じになったとは,驚きです.
 50代半ばといえば,それなりに風格や落ち着き,貫禄を兼ね備えた年齢だと思っていたのですが,とても自分がそんなものがあるとは思えませんし,これが煩悩というものなのでしょうか,まだまだ若くありたい,他人にも若く見られたい,というのが正直な気持ちです.
 ただ,自分でいうのも変ですが,30代,40代と多くの人生経験を積むにつれ,それなりに少しは人間としての深みがでてきたのではないかと自負しています(笑)

 そして以前のブログにも書きましたが,この4月には長女が就職し,これでとりあえず子育てからは解放されました.
久しぶりに東京から帰省した彼女も,自宅から大阪に通勤している次女も,仕事もプライベートもとても楽しく充実しているとのこと,就職してもすぐにうつ病になったり仕事を辞めてしまう最近の若者たちの風潮を耳にするにつけ,親としても本当に良かったと思います.
 
 というわけで,少しは精神的にもゆとりが出来てきたので,来年からは少しでも自分の時間を作り,新たなことに挑戦したり,読みたかった本を読んだり,見知らぬ土地に旅をしたりしたいと思います. 

 とはいえ,この秋から自宅マンションの理事長に任命された上,来春からは医師会の理事に,そして六甲学院伯医会(六甲出身の医師の集まり)の代表幹事まで兼任することになってしまい,当分多忙さからは解放されそうにはありません(笑)

 とりあえず,来年もポジティブに,アクティブに,でもリラックスして頑張ります.

 みなさま,良いお年を!!

 

 
スポンサーサイト

. 患者として医師として

今年もはや年の瀬を迎え,毎年のことながら,何か急かされるような慌ただしい日々が続いています.

 さて,医師は身体が資本,開業してからは毎年秋に医師会主催の人間ドックを受けていますが,今回眼底検査で異常を指摘され,精査が必要となりました.

 ただ近隣の眼科は診療時間が当院とほぼ重なっていてなかなか受診がむずかしく困っていたところ,たまたまこの秋に元町で開業した新しい眼科クリニックから挨拶状が来て,しかも日曜診療をやっているとのこと,これは幸運と思い,思い切って受診しました.

 まだ30代半ばと思しき女医のS先生は,丁寧かつ信頼感あふれる態度で診察してくださいましたが,そこで下された診断は,なんと初期の網膜剥離でした!

 近視が強い人は眼球が前後に伸びるため,硝子体が引っ張られて網膜とともに一部がパンチアウトしたようにはがれてしまい,網膜裂孔と呼ばれる状態が起こり,放置すると本格的な網膜剥離になり失明の恐れもあるとのことです.
 網膜剥離は頭部に強い衝撃を受けるボクサーなどに多い病気ですが,以前,知り合いの医師が発症して手術を受けたと聞いたこともあります.
 それでも,もちろん何の根拠もないのですが,まさか自分が罹患するとは夢にも思いませんでした.

 突然の宣告で,S先生の話を緊張した面持で聞いている私は,もはや自分が医師であることなどすっかり忘れ,単なる一人の不安を抱えた患者でした.

 さて先生いわく,このまま放置するといずれ悪化する可能性が高いけれども,今なら日帰りのレーザー治療で治せますよ,もちろん今日でなくてもいいし,誰かにセカンドオピニオンを求めるのも自由ですよ,とのこと.
 それから運動は1か月禁止だけれども,仕事はオペも含めてもちろん制限はないとのこと,
 
 そうとはいえ,なにしろ突然のことで心の準備など全くできておらず,しかも今日初めて診察していただいた先生,失礼ですががまだ若いし,腕のほども判らないし… さあ,どうしたものか… 
 
 いつも患者さんにはS先生と同じように説明しているくせに(笑),いざ自分が患者という立場にたってみると,なんと頼りないことか…トホホ…

 とにかくここはまず落ち着いて考えよう,うん… 

 とりあえず少し考えさせてください,と診察室を出て,かみさんに電話.

 ちょっと若い先生よねえ,大丈夫なの?… でもこちらも医者だし,ちゃんとオペしてくれるんじゃないかなあ…, レーザー治療を中心にやってきたってホームページにも書いてあったし,きちんとしたいい先生のようだし…  なんて電話の向こうでのたまわっている.
  
 でも最後にかみさん,「考えてても仕方ないし,せっかく早期に見つけてくれてラッキーなわけだから,治療受けたら?」
 
 やはり女は,母は,妻は強し!いざというときに肝が座っている,男なんて到底かなわないなあ,なんて妙に感心することしきり.診察室にもどった私は,「ではお願いします」となったわけです.

 手術と言っても私がやっている下肢静脈瘤の手術のように,消毒したりメスで切ったり出血したりするわけではありません.
 座ったままで顎を台に乗せ,点眼薬で麻酔をされてからレンズのようなものをグイと眼球に押し付けられ,まさにまな板の上の鯉,ならぬ眼球でした.
 その後網膜の病変部に向けてレーザービームが何発も照射されていくわけですが,そのたびに眼の中に強烈な閃光が走り,眼球の圧迫感も手伝って,正直あまり気持ちのよいものではなく,短時間ではありますが,ひたすら早く終わってほしいと願っていました.

 幸い手術は片目15分くらいずつで無事終了しました.

 その後1か月間は残念ながら合気道の稽古も休み,毎週日曜日の午後に経過観察のために通院,経過も良好で,1か月後の受診時に次回の来院は来年1月でよいとのご許可をいただき,運動の再会も許可してくださいました.

 先日の診察の時はS先生も「患者さんにはもちろん誰にでも最善の治療をしていますが,やはり相手が先生ですから,さすがに緊張しました.でも経過が順調でよかったです」とのこと.先生の優しい人柄に触れたようで,ほっとしました.

 自分も下肢静脈瘤の診察に来る患者さんに,いつも「最終的に決めるのはあなたですよ」と言って,無理に勧めることはしません,特に眼と異なり,放置してもすぐに取り返しのつかないような障害をきたすことはないからです.

 けれども,やはり自分が患者になってみて改めて,手術を決心するときの患者さんの心理というものが再確認できましたし,医師でさえそうなのですから,ましてや医療の素人にただ自分で決めろといってもなかなか難しい,やはりなにか背中を押してくれるような人,あるいは情報,言葉のようなものが必要なのではないかと感じました.

 私も,S先生の第一印象と,それからかみさんの勇ましい?ひとことがオペを即決するきっかけとなったわけです.医師だから素人の患者とは違うだろうといわれればそれまでですが,私とて眼科の手術についてなど全くの門外漢ですから,偉そうなことは言えません.
 
 今回のことは,健康のありがたさに,そしてS先生に,そして貴重な人生経験に,すべて感謝です.
. プロフィール

Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です。
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
ご意見下さい.

. 月別アーカイブ
. カテゴリー
. ブログ内検索
. ブロとも申請フォーム
. QRコード
QRコード