6月も終盤,今年の梅雨は気候の変化がひどく,気圧のみならず気温の変化も手伝ってか,体調を崩してしまう人が多いようです.
さて,世界に例をみないほどのスピードで超高齢社会へまっしぐらの我が国は,今や男女とも世界トップレベルの平均寿命を達成しました.
しかし同時に寝たきりや認知症の患者も激増,今まで病気を治療することにばかり主眼を置いてきた医療は,健康寿命の延長や予防医療の充実が喫緊の課題となっています.
人々の健康意識の高まりも目を見張るほどで,ちまたには医療や健康に対する情報が溢れかえっています.
書店に行けば健康や医療に関する本が所狭しと山積みにされ,テレビや雑誌や新聞をみれば,健康番組や健康食品の宣伝にお目にかからない日はありません.
しかもその内容たるや,まさに百花繚乱!
食事内容一つでも,高齢者は肉は絶対にダメだというようなことを言う人もいれば,いや,何歳になっても肉もどんどん食べるべきという意見もある.
ならば食事回数は1日3食必要なのが当たり前かと思いきや,いや,朝食は抜くほうがよいという意見,それどころか1食がベスト,などという極端なことをいう輩さえ出てきた.プチダイエットなる,ちょっとした断食の効用も話題になっています.
運動も,ウォーキングがダメという人はさすがにあまりいないようですが,どういうわけかジョギングはだめだというようなことを主張する人さえいる.以前は高齢者には筋トレはよくないという意見が大勢だったのが,今ではある程度は必須と様変わり.
健康診断に至っては,全く無駄で受ける意味はないという人もいれば,いや,病気の早期発見のためには絶対に欠かせないという意見もあって両極端.
最近では某大学の先生が,自分も医師でありながら,医療機関に受診することや,癌と闘うこと自体を否定するような,過激と思えるような意見を述べておられます.
薬はすべて身体にとって毒だから飲んではいけないとか,生活習慣病は加齢だから直しても仕方がない,がんで死ぬのがベスト,などとのたまわれる人もいる.
今まで肥満は絶対によくないとされてきたのに,実際は少しは太っている方が長生きできるなんていう報告もでてきて,なんやねんそれ?っていう感じ.
いっとき,コレステロールを下げると癌になりやすい,などという論文がでて,医療の現場が大混乱をきたしそうになったのは記憶に新しいところです.
もちろん科学や医学というのは時代とともに進歩していくものですから,それまで常識とされていたことがそうでなくなるというようなことがあっても不思議ではありません.
現時点ではタバコは百害あって一利なしというのが常識ですが,実は少し吸う方が長生きできる,なんていうことにだってならないとは限らない.
そうは言っても,これだけ様々な情報が飛び交っている状況では,我々医療関係者でさえいったい何が正しいのかわからない状態なのですから,一般の人たちに判断できるわけがありません.
それに日本のように言論の自由の確保された社会では,様々な意見を述べることは法的には問題なく,責任はそれを受け取る側にあるということでしょう.
でも,受け取る側も氾濫する情報に惑わされ,しかも正しく判断する根拠がないから,右往左往しているのではないでしょうか.
では,どうするか…??
批判を恐れずに述べさせていただければ,あまりにもとっぴな考え方には,どれも万人を納得させられるようなはっきりとした証拠(エビデンス)のあるものは少ないと思います.
それに少なくとも健康や医療に関する限り,早道や近道はない,そして極端な考え方にろくなものはないと思っています.
数学の定理とか,新しい物質の発見のようなものは,それが正しいかどうかの検証にはそれほど時間がかからない.定理があっているかどうか,物質が存在するかどうか,イエスかノーかの判断だけだからです.
しかし,ある食品が健康にいいかどうかとか,食事回数は何回がいいか,などは立証することが非常に困難です.動物実験の結果が人間に当てはまるとは限りませんし,結果が出るのに非常に長い期間を要します.しかも人間ひとりひとりは年齢性別や人種はもちろんのこと,極めて多くの点で異なり,比較研究は容易ではありません.
上述した,1日1食がアンチエイジングに最適であるという某医師の意見も同様で,その先生が自分で実践されるのは結構ですが,逆に早死にでもしてしまったら,それこそ笑いものでしょう.
巷にあふれるサプリも同じこと.いつもテレビで放送されるのは,「すご~く楽になりました!」とか,「もう,これなしでは生きていけませんね」なんていう,一般人を出演させて小学校の学芸会かと思しき様な,妙に抑揚のついたセリフを言わせているCM.怪しさマックスです(笑)
一時はバナナダイエットなんかが流行って,店頭からバナナがなくなるほど売れましたが,それで本当に成功した人はいったいどれほどいるというのか?そんなに簡単に痩せられるのなら,日本からとっくにメタボなんかなくなっているはずです.
食事回数も3食でいい,内容も絶対に食べてはいけないものなどありません.
たらふく食べるのは問題ですが,何も1日1回にしたり,断食など無理にする必要はない.
運動も全くしないのはもちろんだめですが,やりすぎはだめ.現にオリンピックに出るようなアスリートが長生きしているかといえば,むしろ逆なわけです.
医療の利用の仕方も,健康に留意した生活をして,必要最低限利用すればよい.
健康診断や人間ドックでも,悪いところが発見されて命拾いした人もいるわけですから,なにも目くじら立てて無用論を声高に叫ぶ必要もないでしょう.
サプリも,あくまで補助的なものとして過剰な期待をせずにうまく併用すればよいわけです.
ダイエットにしても,そんなに都合のよいものなどあるはずがありません.やはり食事や運動療法など,地道な努力しかないと思います.
要するにすべて「バランス」の問題であり,「中庸」,「ほどほど」な考えかたがいいわけです.
でも,私のこのような考えは,ある意味当たり前すぎてマスコミにとっては面白くもなんともないでしょう.
やっぱり,「○○を食べたら1か月で△Kg痩せた!」なんていうセンセーショナルなものこそがネタになるからこそ,取り上げるのでしょうから.
かくいう私も悲しいかな,書店で健康やアンチエイジングの本を見つけたら,ついついこそっと?立ち読みしてしまうんですよね(~_~;)
さて,世界に例をみないほどのスピードで超高齢社会へまっしぐらの我が国は,今や男女とも世界トップレベルの平均寿命を達成しました.
しかし同時に寝たきりや認知症の患者も激増,今まで病気を治療することにばかり主眼を置いてきた医療は,健康寿命の延長や予防医療の充実が喫緊の課題となっています.
人々の健康意識の高まりも目を見張るほどで,ちまたには医療や健康に対する情報が溢れかえっています.
書店に行けば健康や医療に関する本が所狭しと山積みにされ,テレビや雑誌や新聞をみれば,健康番組や健康食品の宣伝にお目にかからない日はありません.
しかもその内容たるや,まさに百花繚乱!
食事内容一つでも,高齢者は肉は絶対にダメだというようなことを言う人もいれば,いや,何歳になっても肉もどんどん食べるべきという意見もある.
ならば食事回数は1日3食必要なのが当たり前かと思いきや,いや,朝食は抜くほうがよいという意見,それどころか1食がベスト,などという極端なことをいう輩さえ出てきた.プチダイエットなる,ちょっとした断食の効用も話題になっています.
運動も,ウォーキングがダメという人はさすがにあまりいないようですが,どういうわけかジョギングはだめだというようなことを主張する人さえいる.以前は高齢者には筋トレはよくないという意見が大勢だったのが,今ではある程度は必須と様変わり.
健康診断に至っては,全く無駄で受ける意味はないという人もいれば,いや,病気の早期発見のためには絶対に欠かせないという意見もあって両極端.
最近では某大学の先生が,自分も医師でありながら,医療機関に受診することや,癌と闘うこと自体を否定するような,過激と思えるような意見を述べておられます.
薬はすべて身体にとって毒だから飲んではいけないとか,生活習慣病は加齢だから直しても仕方がない,がんで死ぬのがベスト,などとのたまわれる人もいる.
今まで肥満は絶対によくないとされてきたのに,実際は少しは太っている方が長生きできるなんていう報告もでてきて,なんやねんそれ?っていう感じ.
いっとき,コレステロールを下げると癌になりやすい,などという論文がでて,医療の現場が大混乱をきたしそうになったのは記憶に新しいところです.
もちろん科学や医学というのは時代とともに進歩していくものですから,それまで常識とされていたことがそうでなくなるというようなことがあっても不思議ではありません.
現時点ではタバコは百害あって一利なしというのが常識ですが,実は少し吸う方が長生きできる,なんていうことにだってならないとは限らない.
そうは言っても,これだけ様々な情報が飛び交っている状況では,我々医療関係者でさえいったい何が正しいのかわからない状態なのですから,一般の人たちに判断できるわけがありません.
それに日本のように言論の自由の確保された社会では,様々な意見を述べることは法的には問題なく,責任はそれを受け取る側にあるということでしょう.
でも,受け取る側も氾濫する情報に惑わされ,しかも正しく判断する根拠がないから,右往左往しているのではないでしょうか.
では,どうするか…??
批判を恐れずに述べさせていただければ,あまりにもとっぴな考え方には,どれも万人を納得させられるようなはっきりとした証拠(エビデンス)のあるものは少ないと思います.
それに少なくとも健康や医療に関する限り,早道や近道はない,そして極端な考え方にろくなものはないと思っています.
数学の定理とか,新しい物質の発見のようなものは,それが正しいかどうかの検証にはそれほど時間がかからない.定理があっているかどうか,物質が存在するかどうか,イエスかノーかの判断だけだからです.
しかし,ある食品が健康にいいかどうかとか,食事回数は何回がいいか,などは立証することが非常に困難です.動物実験の結果が人間に当てはまるとは限りませんし,結果が出るのに非常に長い期間を要します.しかも人間ひとりひとりは年齢性別や人種はもちろんのこと,極めて多くの点で異なり,比較研究は容易ではありません.
上述した,1日1食がアンチエイジングに最適であるという某医師の意見も同様で,その先生が自分で実践されるのは結構ですが,逆に早死にでもしてしまったら,それこそ笑いものでしょう.
巷にあふれるサプリも同じこと.いつもテレビで放送されるのは,「すご~く楽になりました!」とか,「もう,これなしでは生きていけませんね」なんていう,一般人を出演させて小学校の学芸会かと思しき様な,妙に抑揚のついたセリフを言わせているCM.怪しさマックスです(笑)
一時はバナナダイエットなんかが流行って,店頭からバナナがなくなるほど売れましたが,それで本当に成功した人はいったいどれほどいるというのか?そんなに簡単に痩せられるのなら,日本からとっくにメタボなんかなくなっているはずです.
食事回数も3食でいい,内容も絶対に食べてはいけないものなどありません.
たらふく食べるのは問題ですが,何も1日1回にしたり,断食など無理にする必要はない.
運動も全くしないのはもちろんだめですが,やりすぎはだめ.現にオリンピックに出るようなアスリートが長生きしているかといえば,むしろ逆なわけです.
医療の利用の仕方も,健康に留意した生活をして,必要最低限利用すればよい.
健康診断や人間ドックでも,悪いところが発見されて命拾いした人もいるわけですから,なにも目くじら立てて無用論を声高に叫ぶ必要もないでしょう.
サプリも,あくまで補助的なものとして過剰な期待をせずにうまく併用すればよいわけです.
ダイエットにしても,そんなに都合のよいものなどあるはずがありません.やはり食事や運動療法など,地道な努力しかないと思います.
要するにすべて「バランス」の問題であり,「中庸」,「ほどほど」な考えかたがいいわけです.
でも,私のこのような考えは,ある意味当たり前すぎてマスコミにとっては面白くもなんともないでしょう.
やっぱり,「○○を食べたら1か月で△Kg痩せた!」なんていうセンセーショナルなものこそがネタになるからこそ,取り上げるのでしょうから.
かくいう私も悲しいかな,書店で健康やアンチエイジングの本を見つけたら,ついついこそっと?立ち読みしてしまうんですよね(~_~;)
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