夢の扉へ

 いよいよ今年も残すところあとわずか,昨日は今年最後の診療を無事終えることができました.いつもながらクリニックを献身的に支えてくれているスタッフその他多くの人々には,感謝の気持ちでいっぱいです.

 さて,毎週日曜日の晩にTBSで「夢の扉」というドキュメンタリー番組が放送されていますが,いつの頃からか,毎回楽しみにして見るようになりました.
 名も知れぬ小さな町工場やベンチャー企業から,世の中を変えるかもしれないような独創的な技術が生まれていくエピソードなど,熱い志で明日を切り開いていこうとする人々を描いているこの番組はまさに,大きな閉塞感に包まれてしまっている今の日本人を勇気づけるにふさわしく,テーマ曲として流れる小田和正の歌う「やさしい雨」も感動を高めてくれます.

 政治も経済も社会保障も外交も,ありとあらゆる面で完膚なきまでに打ちのめされてしまっている我が国,今や日本人誰もが,特にあの大震災以降,自信と誇りとを大きく喪失し,未来に対する漠然とした不安や閉塞感を抱いているのは否定しがたく,坂を転げ落ちていくように破滅への道をたどっていくのではないかという悲観論さえ見受けられます.

 しかし私はといえば,実は案外楽観的です. 

 それは,どんな時代になっても,日本人という民族のDNA自体は変わってはいない,つまり,日本人が世界から賞賛されている,礼儀正しさ,謙虚さ,勤勉さ,正直さ,几帳面さ,思いやり,団結心,独特の美学…,こういった器質は時代を経てもほとんど変わっていないからです.

 我が国は建国以来今まで,国の存亡にかかわるような大きな危機に幾度となく見舞われてきましたが,そのたびに,逞しく乗り越えてこられたのは,きっとこの民族性がなせる業だと思っています.

 もちろん,悲惨とも言えるこの現状に対して国民一人一人が危機感を持つことは必要ですし,かつての高度成長時代の再来は望むべくもなく,何よりも時代とともに社会構造や世界情勢が変わっていくわけですから,それに柔軟に対応して解決するべく粉骨砕身しなければならないのは言うまでもありません.
 
 今の日本は幕末や終戦の時と同様,この未曾有の危機から立ち直れるかどうか試されていて,それを世界中が固唾をのんで見守っているのではないか,そしてこの危機を乗り越えた先にこそ,日本人としての誇りと自信を取戻し,世界の国々に範を垂れる国家として再認識されるのではないかと思います.

 でも私は,日本人は今回もまたきっとこの危機を乗り越えられると信じています,そう,「夢の扉」に出てくるような,未来を力強く切り開いていこうとする人々のいる限り…

 私の考えは甘いと言われる方々もいるかもしれません,でも後ろ向きな考え,悲観的な考えばかりしていても何も生まれません.もう我々は,前を向いて進んでいくしかないのではないでしょうか?

 今年のイギリス放送協会(BBC)が行ったアンケート調査で,日本人は世界に最も良い影響を及ぼしている民族だという嬉しい結果が出たそうですが,より興味深いのは,日本人自身の自国に対する評価は,他国が評価してくれているより非常に低いという結果です.
 これは日本人がそれほど謙虚だからなのか,歴史認識に対する自虐感がなせるわざなのかはわかりませんが,いずれにしても,日本人はもっと自信をもってもいいと思うのです.

 昨年最後のブログで「日本人よがんばれ」という文章を書きましたが,1年経った今,私はますますその感を強くしています.

 今年は暗い世相の中でも,ロンドンオリンピックでは日本人のアスリートたちが過去最多数のメダルを獲得する大活躍を見せ,先日は京大の山中教授がips細胞の研究でノーベル医学賞を授与されるという快挙を成し遂げました.
 衆議院選挙では失政続きだった民主党政権にようやく終止符が打たれ,自民党の安部新政権が誕生,国民誰しもが,今度こそは,という気持ちで見守っています.

 日本人が自信を取戻し,日本人でよかった,日本に生まれ育ってよかったと思えるような時代が1日も早く戻ってくるように祈らざるを得ません.
 そして,来年こそ,その先駆けとなるような1年でありますように!!

 追伸 今年もブログを読んでいただきありがとうございました.来年もクリニックともどもどうぞよろしくお願い申し上げます.


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至福のタイムスリップ

 今年も残すところ3週間足らずとなってしまいましたが,今月8日の土曜日,私の母校である六甲学院の5年ぶりの同窓会が神戸メリケンパークオリエンタルホテルで行われました.昭和52年に卒業した34期約180人のうち,約40人が懐かしい顔をそろえました.

 卒後35年もの月日が経った我々も,もう50代半ば近くの働き盛り,それぞれ社会の多方面で活躍中です.
 見事なまでの中年太りで貫禄たっぷりの者,病気をして死の淵をさまよった者,離婚や再婚を経験した者,海外出張や単身赴任が長い者,早くも孫が出来てしまった者,職業を何回も変わった者,養子になった者,息子が父と同じ六甲に入った者,会社を立ち上げて大成功した者,私のように医療関係で活躍する者,そして残念ながら若くして鬼籍に入った者,等々,各人各様本当に様々な生き様で,まるで人生の百科事典を見ているようでした.

 会には恩師のI先生やN先生も参加してくださり,お二人とも我々の同窓生ではないかと見まがうほどの若々しさでした.

 美味しいお酒と料理で酔いもまわってくれば,心はもはや学生時代にタイムスリップ,あの頃の思い出が走馬灯のように蘇って懐かしい思い出話に話は尽きず,最後はホテルの粋な計らいで校歌を伴奏つきで大合唱,盛況のうちにお開きとなりました.その後もほとんどの者たちは別れを惜しむかのようにそのまま2次会になだれ込み,これまた楽しいひと時を過ごしました.さらに私は仲の良かった友人たち数人と3次会まで繰り出し,午前様で帰宅した時は,もう完全に酔っ払い状態でした(笑)

 私にとって中高6年間を六甲学院で過ごしたことは,その後の自分の人生を形作る大きな礎となったことは間違いありません.
 標高200mの高さにそびえたつ学校への毎日の険しい坂道の通学,授業の前後の黙想,毎日行う上半身裸での中間体操や便番と呼ばれる便所掃除,真冬に行われる36kmものマラソン大会,生徒だけで作り上げる文化祭,テレビ番組「トリハダスクープ」でも取り上げられた,これまた上半身裸での生徒1000人全員で行う総行進が名物の体育祭,街頭募金や奉仕活動などの様々なボランティア活動…等々,創立したイエズス会の精神にのっとった教育方針により,知らず知らずのうちに六甲精神と呼ばれる一種のブランド力を叩き込まれました.

 これは言葉では表現しがたいのですが,この精神は,身内びいきと言われてしまえばそれまでですが,卒業してからも六甲出身というだけで,お互いの間に信頼感と安心感を伴う絆を生む力も持っていると感じます.

 医師仲間には六甲のOBも多く,大変信頼できるネットワークになっています.また患者さんたちにも六甲の出身者がいたり,HPで私が六甲出身と知って安心できるとして受診して下さる人も多く,いまさらながら六甲出身であることのありがたみを感じます.

 もっとも共学育ちのかみさんや娘たちに言わせると,6年間男子校というのは理解しがたいようで,「だからあんたは女心がわからないのよね」とか,今回の集合写真を見ても「おっさんばっかりの,色気のない同窓会なんて信じられない」などと,まあ勝手なことばかりのたまわれてしまいますが,男子校の「良さ」を説明しようとしても,私の性格や行動を見ている彼女たちにはあまり説得力がないらしく,最近はあまり反論しないようにしています(笑)

 何はともあれ,心から楽しかったひと時でした,チャンチャン(笑)
 
六甲同窓会

 ↑ 最後列,向かって左から4番目が私です(クリックすると拡大します).