Exciting City

 8月も残すところあとわずかとなりましたが,まだまだ連日うだるような猛暑の日々が続いています.

 さて,このお盆休みに,かみさんとシンガポールに行ってきました.
 私の知り合いであるオーストラリア人のホテルマン,Raymondさんが,2年ほど前にシンガポールを代表するホテルのひとつであるSwissotel the Stanfordの副支配人となったのが縁で,是非にと誘ってくださり,ホテルの部屋も用意してくださったのです.

 東京都ほどの面積に約500万人が暮らす都市国家であるこの国は,いうまでもなく今やアジア地域の物流,交通の拠点としての地位を不動のものとし,多くの外国企業も誘致され,めまぐるしい発展を遂げています.
 
 近代的な高層ビルやハイセンスな建築物が立ち並び,縦横無尽に走る広い道路に加え地下鉄やバスなどの交通機関もよく整備された市街は,どこも非常に清潔で洗練されており,また豊かな街路樹や公園により緑にあふれていました.

 狭い土地を有効に活用するためか,あちこちに設けられた巨大な地下街やショッピングモールには,高級ブランド店から雑貨店まで,実に様々な店舗が並び,深夜までにぎわっていました.
 行き交う人々も,多民族国家らしく中華系,マレー系,インド系などのアジア系に加えて欧米他からの永住者とバラエティに富み,そこに世界中からの来訪者が加わり,実に国際色豊かでした.

 たった数日間の滞在でしたが,この街を歩いて感じたのは,さながら近未来都市の様相さえ感じるこの都市全体が,とてつもないエネルギーと活力に満ち溢れており,それは我々日本人があの高度成長期の時代に感じた,そこはとない高揚感,未来への期待感,民族としての誇りなどに相通じるものではないかということでした.

 見知らぬ土地への旅は,いつも好奇心をくすぐられます.今回のこの旅も,日頃の雑事に忙殺されがちな私の心をリフレッシュし,明日への活力を与えるに十分なものでした.
 
 ホテル70階のラウンジより.有名なMarina Bay Sands hotelも見えます.
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 Raymondさんと食事をご一緒させていただきました.
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感動のアスリートたち

 毎月2回のペースで更新してきたブログが,多忙さと猛暑にかまけて7月は1回しか更新できず,愛読者?の方たちからも催促されてしまいました.申し訳ありませんでした.今後とも皆さんに読んで楽しんでいただけるエッセイを書いていく所存ですので,どうぞよろしくお願い申し上げます.

 さて先日,この夏17日間にわたって開催されたロンドンオリンピックが,数多くのドラマを残して成功裏に終わりました.

 オリンピックという,スポーツ選手にとって最大のイベントに出場すること,そこでメダルを獲得することの喜び,感動,誇り,そしてそこへの道なりの困難さは,われわれ凡人の想像をはるかに超えるものでしょう.

 まずアスリートとしての力量とモチベーションが,世界トップレベルにまで達し,そして維持されていることは当然の条件でしょう.しかし自分の絶頂期が,4年にいちどしか開催されないこのイベントに一致するとは限らない.
 だから,世界選手権レベルで活躍してオリンピック候補といわれながら,タイミングが合わず涙をのんだアスリートたちも星の数ほどいるわけです.

 そういう意味で,運と実力に恵まれてオリンピックに出場できた幸運なアスリートたちは,出場できなかった数多くの人々の犠牲や悔しさや期待も背中に背負っていると言えるでしょう.
 そしてそんな舞台で,メダリストとなるということがいかに至難の業であるか….

 マスコミなどはオリンピックが始まる遥か以前から,「獲らぬ狸の皮算用」ではありませんが,メダル予想なるものを行って“メダル,メダル”とかしましく大騒ぎして持ち上げますが,その選手がメダリストになるかならないかで,その後の取り上げ方が天と地とほども違う.

 もちろんこういった重圧に耐えられる人こそがオリンピックでメダルを獲れるのであり,逆に言えばそうでなければオリンピックなど出場すら出来ないともいえるかもしれません,

 しかし私はメダルの獲得有無にかかわらず,競技が終わった時に見せるアスリートたちの喜びと安堵の涙だけでなく,悲しみと悔しさの涙の中に,その人がそれまで歩んできたであろう苦難の人生ドラマに想いを巡らし,感動してしまうのです.

 オリンピックの女子柔道の48Kg級で金メダル確実といわれながらメダルに届かなかった福見友子選手が,試合後のインタビューで,アナウンサーの無慈悲とも思える質問に,涙をこらえながら出ない声を絞り出すように答えていたのを見た私は,思わずもらい泣きしそうになりました.彼女には,何色でもいいからメダルをその首にかけてあげたかった,と本当に思いました.

 あの谷亮子選手が君臨していたこの階級で頭角を現してきた彼女ですが,非常に苦労人で,先回の北京オリンピックの選考では,谷に勝ったにもかかわらず代表に選ばれなかった.その悔しさと重圧をバネに,それこそ血のにじむような努力を重ね,ポスト谷としてようやくつかんだ五輪の切符.しかし獲って当然と言われた金メダルはおろか,銅メダルにさえ届かなかった悔しさと悲しさは,他人には想像することすら出来ないでしょう.

 準決勝で敗れ,3位決定戦でも敗北したあと,気丈にも涙をこらえ,唇をかみしめながら退場した彼女は,おそらくロッカールームでひとり号泣していたのではないでしょうか.

 大会が終わったばかりの今,オリンピックのメダリストたちはマスコミの格好の的で,あちこちのテレビ番組に引っ張り出されています.これを見ていると,メダリストとそうでない選手たちとの扱いの差が,これほど露骨なものなのかと,妙に感心さえしてしまいます.
 
 では,メダリストたちへのねぎらいはどうかといえば,聞くところによると,JOCからの報奨金は,金メダルで300万円,銀メダルで100万円,銅メダルで100万円だそうです.この額を効いてその些少さに愕然としたのは私だけではないでしょう.
 競技によっては属している企業などから別途報奨金があるようですが,たとえば今回不調だった柔道では,唯一金メダルを獲得した女子52Kg級の松本薫選手でさえも,日本柔道連盟からは,“柔道はお家芸だから勝って当然”とのことで,なんと報奨金は全くないとのこと,これには開いた口が塞がりません.
 
 スポーツは崇高な精神のもとに行われるべきもので,金銭の多寡を論ずるべきではないという意見もありますし,特に日本人の美徳には反するかもしれません.

 しかしオリンピック選手たちは,全ての私生活を犠牲にして練習に明け暮れ,想像を絶する苦労を乗り越え,いってみれば国を背負って出場しているわけです.しかも選手生命は短く,引退後の生活の糧も保障されていない.
 そう考えれば,国の代表として出場するだけでも偉大なことなのに,メダルを獲った報奨金がたったそれだけとは,あまりにも少なくはないでしょうか?私はこの10倍くらい与えても悪くはないと思いますし,たとえメダルが獲得できなかった選手にも十分な報奨金を与えるべきだと思っています.

 もちろん,アマチュアリズムに反するという考えもあるでしょうが,少なくとも国やマスコミや国民がメダル獲得を期待しているのであれば,報酬をモチベーションにするのは決して悪いこととは思いません.
 国によって事情は違うでしょうが,たとえば韓国では,メダリストには生涯にわたる年金と兵役免除が与えられるとのこと,それならモチベーションも上がろうもので,現に金メダルの数だけなら日本の倍近い13個を獲得しているわけです.

 翻って,まさに大混乱を呈している今の日本の政界などに目を向けるとどうか?
国民のためなどと口先では格好のよいことを言いながら,やっていることといえば内輪もめと選挙のことばかり.私利私欲にまみれ,崇高さ,清貧さなど微塵のかけらもなく,言葉の中身の浅薄さ,陳腐さに,国民誰もがもううんざり…,

 そしてこんな体たらくな政治家たちの姿を見るにつけ,メダルを獲ろうが獲るまいが,私たちに心からの素直な感動と喜びを与え,日本人としての誇りを呼び覚ましてくれた一流のアスリートたちの方がどれほど崇高で偉大か…,そして彼等にならば,いくらでも報いてあげたいと思うのが国民誰しもの感情ではないでしょうか?


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