Dr.OHKADO's Blog

. 偉大なる先駆者

 毎日暑い日が続いています.今日は往診に行ってきましたが,外に出るとまるでサウナに入っているような気さえします.私の小さい頃はこれほど暑く感じることはなかったような気がします.やはり地球温暖化の影響なのでしょうか?先日カルテナンバーがようやく200を超えましたが,これだけ暑い日でも当院に来てくださる患者さんがいるのには本当に感謝しています.
 先日大リーガーの野茂選手がついに引退を表明したというニュースを聞き,万感胸に迫るものがありました.今や日本人大リーガーは年を追うごとに増え,メジャーリーグの大きな一翼を担う集団にまでなりましたが,それもこれも彼が最初にレールを敷いてくれたからです.彼が日本人として初めてメジャーリーグに挑戦した時は,賞賛よりも非難ややっかみの声のほうが多かったと聞きます.しかし彼はそれに対して怯んだり声を荒げて反論したりすることもなく,ゆるぎない信念のもとに自分の力を信じて淡々と事を成し遂げたわけです.彼はあまり饒舌ではないし,どちらかといえばぶっきらぼうで決してマスコミ受けしない語り口でしたが,私はむしろそれが好きでした.そこに「男」をみました.
何事においても他人のやったことのない大事を成すというのは,本当に大変なことだと思います.先例のない中で本当に成功するのかどうかという不安は想像を絶すると思いますし,それを乗り越えるだけのタフな精神力を培うことも並大抵のことではないでしょう.その上,周囲の人間は決まって,判で押したように無責任な批判や辛らつな評価を投げつけるわけですから.
 私が卒後10年という年齢で,研修医と全く同じ身分で女子医大の地獄のような厳しい研修生活に飛び込んだ時も,まさに前代未聞の出来事だったようですが,「途中で投げ出すに決まっている」とか「無謀だ」とか,周囲には無責任とやっかみに満ち満ちた発言を多く耳にしました.けれども私はだからこそ却って何が何でも耐えてみせるという気持ちになれました.そして私はあの時の苦労を思いだせば,どんなに辛いことにでも絶えられると思えるようになりました.
 私など野茂選手の偉大さと比べればスケールが違いすぎると思います.でも私はこういった自分の経験があるからこそ,彼の生き方には共感するところがあるのです.
 


スポンサーサイト

. 蘇った緊張感

 どこのクリニックもそうらしいですが,猛暑のためか患者さんの数も伸びません.外出すのもはばかられるようなこの暑さでは,よほど具合が悪くないと医療機関にはわざわざ行きたくないかもしれません.
 昨日の午後は,久しぶりに心臓外科医に戻りました.岡山中央病院という病院で東京女子医大時代の同期のF先生がたったひとりで心臓血管外科を受け持っており,2年弱前の開設当初からこの4月まで,月2回程度私が手術の手伝いに行ってきました.開業してようやく落ち着いたので再び彼が誘ってくれたわけです.クリニックの経営はまだまだ苦しいので,彼の善意が本当に身に沁みました.
 外科医時代,術衣に着替えてオペ室の手洗い場で静かに手洗いをする時はいつも,大事な人の命を自分が預かっているのだというなんとも言えない,しかし心地よい緊張感を味わったものでした.洗ってはいるのは手なのですが,心を研ぎ澄まし,手術の手順をシミュレーションしていました.これは何千回手術を経験しても決して変わることはありませんでした.昨日はその感覚を久しぶりに味わい,自分はやはりこれが好きで外科医をやっていたんだと気づきました.手術は典型的な大動脈弁置換術で,4時間あまりで順調に終わりましたが,女子医大で同じ釜の飯を食って苦楽を共にした彼と,時には懐かしい四方山話もしながら手術を行うこの時間は,適度な緊張の中にも至福の喜びを味わえました.
 クリニックで普段診させていただいているのは,下肢静脈瘤の手術や簡単な外科処置を除けばほとんどが内科的疾患です.しかし一人ひとりの患者さんに対して,手術を行うのと同じくらいの真剣勝負のつもりで,緊張感を以て治療に当たらせていただきたいと思っています.

. 「起業」のよろこび

 うだるような暑さが続いています.
 今日はテレビで色々な職業に転職したり起業した人々の特集のような番組をやっていました.テレビなので多少脚色はあるとは思いますが,皆やりたい職業を見つけて,たとえ減収になっても好きなことをやれる喜びで生き生きとしているという構成でした.
 私の場合も,医師という職業をやめるわけではありませんが,一種の起業です.
 今までは勤務医として組織の歯車としてしか働けませんでした.最近は勤務医の過酷な労働が問題になっていますが,特に心臓血管外科はその極みで,夜中の緊急手術は日常茶飯事,重症患者がいれば深夜休日をたがえず呼び出され,食事は5分でかきこみ,一睡もせずに翌日の外来や手術などに入ることもザラ,ひと月の残業は日常的に100時間を超えていました.身も心もぼろぼろ,そして信じられないほどの薄給と福利厚生の少なさ… それでもふだんは医療のことさえ考えていればよかった.
 しかし今は違います.院長となった今,当然のことながら経営,人事,宣伝,渉外などあらゆることを考えねばなりません.慣れないことばかりで本当に大変だと感じています.ただそれでも,勤務医時代のことを考えればずいぶん楽になりました.仕事はオンオフがはっきりしていますし,いつ呼び出されるかというようなエンドレスといってもいい様なストレスもありません.また自分のやったことが良くも悪しくもすべて自分に跳ね返ってくる,頑張れば確実に報われる,というのは責任重大ではありますが,やり甲斐があります.
 昨日の診療の終わり頃に神戸労災病院の私もお世話になったヘルパーさんが見学に来られ,「先生は顔色が本当に良くなりましたね」と言われました.やはり勤務医時代は他人にも疲れきっているように見えたのかもしれません.
 これからもクリニックの経営は山あり谷ありとは思いますが,それでもbe positive!の精神で何とかうまく舵取りをして,成功を目指したいと思っています.

. 別の顔

 今日は七夕,もし短冊に願い事をかくならば,やはり今は「クリニックが繁盛しますように」でしょうか.
 今日の午前中は合気道の稽古で汗を流してきました.10年前よりはじめた合気道ですが,私の趣味の大きな一角を占めるものになっています.合気道には小学生からかなり年配の方まで,実に幅広い年齢の人々が集まってきます.職種もいろいろで,私のような医師も何人かいますが,警察官,ホテルの支配人,学校の教師,家具屋,サラリーマン…と本当にばらばらです.でもそういったことは合気道をやることとは何も関係ありません.いまだにお互い本当の職業を知らない人も多くいます.
 普段の自分はどこにいてもたいてい医師であるという意識を捨てられません.というのも日常のつきあいは,どうしても同業者やその関係の人々との接触がほとんどだからです.しかし道場に入って道着と袴を着用すると,もうひとつの自分になったような気分になります.テレビのドキュメンタリーなどで,ある仕事のプロである主人公が,その仕事とは全く別の顔を持っている…というようなことを格好よく描いていますが,私もまさにそんな気持ちです.静寂な雰囲気の中,正座をして正面に向かって礼をすると敬虔な気持ちにもなります.この時間は私にとって医師という身分を忘れられる,かけがえのない心のオアシスでもあります.こういった時間があるからこそ,日常の仕事に対する活力も湧いてくるといっても過言ではありません.
 今週も1週間,合気道で培った「気」を充実させて頑張ります.

. 深い絆

 早いものでもう7月です.新しく訪れる患者さんの中にはHPを見られて受診される方も多くおられます.一日で50以上もアクセスされることもありますが,中には私のこのつたないブログ目当てで見てくださっている方もおられるようで,何かくすぐったい感じです.
 先週の土曜日はある会合に行ってきました.母校である六甲学院(中・高校)出身の医師で作る伯医会,歯科医師で作る伯歯会というのがあり(伯,というのは母校が伯母野山の中腹にあることからつけられました),それぞれ毎年1度懇親会を開いていますが,オリンピックイヤーにはこの2つが合同で懇親会をすることになっており,北京オリンピックの開かれる今年はまさに合同懇親会の年であったわけです.
 母校は今年で創立70年を迎え,私は34期です.一応?進学校といわれる学校なので各学年の医学部・歯学部出身者は大概20名以上いますが,参加していたのはもちろんその一部,あわせて数十名でした.現校長や私の在学時代の恩師に加え,いつも常連で参加されている先輩,後輩のほかに今年から新しく参加された方々もいて,皆で久しぶりの再会を喜び合いました.近所で開業されておられる某整形外科クリニックの先生が実は六甲のOBだったことが判ったことも収穫で,さっそく名刺を渡してちゃっかり?あいさつしました.
 六甲学院は6年間一貫教育の男子校で,共学で育ったかみさんなどには「6年間も女の子がいない生活なんてつまらないわねエ」と言われる始末ですが,一学年180人という少人数で6年間同じ釜の飯を食ったというのは何者にも変えがたい団結力や仲間意識を生みます.特に母校はカトリック精神に基づいた人間教育で有名で,300m近くもの標高にある学校への登山のような毎日の通学,授業前の黙想,上半身裸での毎日の中間体操,短パン一丁・はだしでの便所掃除(便番といわれ有名でした),年1回の36キロ!マラソン,礼拝,共同募金などの奉仕活動…と,勉強以外にも「六甲精神」を徹底的に鍛えられました.その時学生だった私たちには,そのことの良さなど判る由もなく反抗することもしばしばでしたが,今となっては,六甲を卒業して良かった,今の自分の丈夫な足腰と粘り強い精神はここで培われた,と確信しています.
 社会で生きていく上で「コネ」というのはあまり清潔なイメージを伴いませんが,やはり同じ学校で苦楽をともにした,というのはいい意味での「コネ」であり,こういった人と人とのつながりは一生大事にしたいと思っています.
 なお,男子校であったということの不利な点は,確かに大学に入学した当初は何か女の子と接するのにやや違和感を感じてしまったということでしょうか,でもだからといって結婚出来ない人や,ちょっと違った道?に進んでいるという人が多いわけでもなく,結果としては問題なかったと思っているのですが,かみさんには,「やっぱりあなたは男子校出身よね…」などと呆れられることもあります(笑).
. プロフィール

Dr.Ohkado

Author:Dr.Ohkado
神戸市中央区新神戸駅ちかく,神戸芸術センタービル内医療モールにある循環器科を主とする開業医です。
徒然なるままに,日々考えていることをエッセイとして書き綴っていきます.
ご意見下さい.

. 月別アーカイブ
. カテゴリー
. ブログ内検索
. ブロとも申請フォーム
. QRコード
QRコード